市役所の窓口に相続の相談をするメリットデメリット

最近では相続の相談窓口が設置されている市役所や区役所などの自治体が増えてきています。
次のようにお考えの方は市役所の窓口で相続の相談をしてみるのも良いかもしれません。

・税理士、弁護士、司法書士など相続を扱っている専門家の種類が多く、どの専門家に相談すれば良いかわからない。
・専門家に相談すると余計なサービスの勧誘をされてしまうのではないかと不安に思う。
・有料のサービスに申し込むつもりがないため、専門家には相談しにくい。
・ささいな相談かもしれない、あるいは財産の規模が小さいため専門家には相手にされないと思う。

市役所の相続相談は公共サービスですので、気軽に相談しやすいなどのメリットがありますが、一方で、回数制限や時間制限があるなど、いくつかの注意点があります。

それでは今回は、市役所や区役所などの自治体の窓口で相続の相談をする場合のメリット、デメリットについて解説していきます。

市役所の窓口に相続の相談をするメリット

無料で相談ができ、有料サービスの勧誘をうけることも無い

最近では相続の無料相談を受け付けている専門家は多いです。
しかし、無料相談を好機とみて、言葉たくみに有料の商品やサービスの契約に誘導しようとする専門家も多いものです。

相談が無料でも、不要な契約をさせられては結局は高くつくことになってしまいます。

その点、市役所の無料相談であれば公共サービスとして運営されていますので、勧誘を受けることは少ないでしょう。

知識が無くても気軽に相談できる

市役所の相続相談は公共サービスですので、知識がなくても気軽に相談しやすいでしょう。

知識が無く、どの専門家に相談すればわからない場合でも、電話や窓口で相談の予約を取る際に、どの専門家に相談すれば良いか聞けば教えてくれるはずです。

また、営利を目的にしていませんので、悩みの小さい大きいに関係なく対応をしてくれるはずです。

市役所の窓口に相続の相談をするデメリット（注意点）

回数制限や時間制限

市役所の相談窓口には相談回数の制限や、１回の相談あたりの相談時間に制限があることが多いです。
相談者の抱える問題が解決するまで継続的に対応することは想定していないといのが実情のようです。
相談者が自分自身で問題を解決したり、専門家に依頼して解決出来るようになるための「きっかけ」として位置付けている市役所が多いです。

相談回数は同一の相談内容は１回、相談時間は30分程度としている市役所が多いようです。
通常この程度の相談時間の場合、個別具体的な解決方法を提示することは難しく、一般論的な回答になってしまうでしょう。

例えば神奈川県藤沢市の法律相談は同一内容の相談は１回のみで、相談時間も30分までのようです。
次の画像は藤沢市のホームページからの抜粋です。

その場で専門家と契約はできない

市役所の無料相談では、相談を担当した専門家に、そのまま直接仕事の依頼をすることができないルールになっていることが多いです。
例えば、神奈川県横浜市の市民相談室では次の画像のように注意書きがされています。

せっかく話の合う相談員に出会って、相談内容を理解してもらっても、その後は自分で解決したり、自分で専門家を探す必要があるのです。

曜日や時間帯が限られていたり利用条件が厳しい

市役所の相談窓口では、相談できる曜日や時間帯が限られていることが多いです。

基本的に平日の昼間であるため、お勤めをされている方には利用しづらいでしょう。
また、基本的に庁舎に出向いての対面での相談になります。
電話での相談を受け付けている市役所もありますが、
ズームなどのウェブ会議システムを利用した相談に対応している市役所は少ないでしょう。

例えば次の画像は神奈川県鎌倉市の法律相談の案内ページです。
税理士事務所などの無料相談が夜間対応や訪問対応、ズーム対応を行っていることに比べると利用しづらい面はあるでしょう。

まとめ

市役所に相続の相談をする場合のメリットとデメリットについて解説いたしました。

市役所など自治体の相談窓口は、費用がかからない気軽な相談先ですが、
継続的な相談が出来なかったり、相談可能な曜日や時間帯が限られているなど、利用しづらい面があるのも事実です。

最近では税理士、弁護士、司法書士などの各専門家も無料相談を行っていることが多いです。
市役所の相談窓口に利用しづらさを感じる方は、
最初から直接専門家に相談することを検討しても良いでしょう。

専門家の選び方について詳しくは「【絶対解決！】相続の相談はどこにすべき？（一覧表あり）」をご参照ください。

なお、当税理士事務所では相続の無料相談を承っております。
メールやウェブ会議でのご相談、夜間休日のご相談も大歓迎ですのでぜひお気軽にお問い合わせください。